ぽんぽこぽん!ぽんすけです。
「ラブコメでわかる!ロウソクの科学」を最後までお読みいただき、ありがとうございました。
今日は、「ラブコメでわかる!ロウソクの科学」が出来上がるまでのちょっとした裏話と、この記事に込められた願いごと・・・「学び方の格差が減ればいいなぁ」というお話をしていきますね。
この記事を読むと「なぜ、ぽんすけが普通の解説記事にしなかったのか?」「ロウソクの科学の原文との違い」「学び方の格差ってナニ?」がわかるようになっています。
最後までお読みいただけるとうれしいです。
では、はじまりはじまり~☆
「ロウソクの科学」の記事を書こうと思ったきっかけ
「ロウソクの科学」の記事を書こうと思った発端は、約2年前です。
ぽんすけの理科師匠であるハシビロ先生が「ロウソクの科学」って面白いよねぇとお話してくださいました。
以下、回想▼
ぽんすけ:「ろうそく?」
ハシビロ先生:「え。知らないんですか?ファラデーですよ。」
ぽんすけ:「(ふぁらでーって、誰だっけ?)寡聞にして知らず・・・」
ハシビロ先生:「最近だと、ノーベル賞受賞者が影響を受けたと有名になりましたね。」
ハシビロ先生:「理科に関わる人なら、押さえて損はないですよ。」
ハシビロ先生からフリーズドライな目を感じたぽんすけです。
しかし!ツンデレなハシビロ先生は、
ハシビロ先生:「ロウソクの科学の解説本の中だと、一番わかりやすいです」
と言いつつ、書籍「ロウソクの科学が教えてくれること」を貸してくれました。
借りたからには頑張って、読んでみよう!
ノーベル賞な気持ちを感じちゃうぜ☆
なーんてワクワクと気楽に本を開いたぽんすけだったのですが・・・
理解できねぇ。
日本語が難しい。
30ページくらいで、投げ出したぽんすけです。
(これを中学生のときに読んでワクワクできたって・・・やっぱりノーベル賞受賞者、スゴイ)
読むのあきらめようかなーとも思ったのですが、「理科の人なら押さえて損ない」と言われるとやっぱり読みたい。
そこで、ググりつつ、理解できない部分は飛ばし読みながら、2週間くらいかけて完読。
やりきったぜ・・・っ!
妙な達成感。
それと同時に、ちょっとしたワクワクを感じました。
ロウソクの科学では、ほとんどの文章が「ロウソクや実験を観察して疑問を見つける」→「実験で答えを提示する」という流れで構成されています。
「ラブコメでわかる!『ロウソクの科学』」を例にとると・・・
(観察)ロウソクは芯の根本から離れたところで燃えている
→(疑問)ロウソクの炎は何を燃料に燃えている?
→(実験)ロウの気体を燃やしてみる。
→(答え)ロウソクの炎は気体を燃料に燃えている。
といった感じです。
このストーリーの流れが、ミステリー小説で探偵が謎を解くのに似ているんですね。
探偵が事件現場で、誰も気づいていない不可解な点を見つける。そこから推理をする。
その推理が事実であることを、証拠を使って証明する。みたいな!
「ロウソクの科学」でファラデーが示す謎解き展開が、私をワクワクさせてくれました。
ちょうど、小学校5年生のときに私が森博嗣先生の本を読んだときのワクワク感に似ていたんです。
(余談ですが当時のお気に入り作品は「女王の百年密室」と「S&Mシリーズ」「四季」でした※Amazonに飛びます)
その後、ハシビロ先生に「ロウソクの科学、楽しかった!」という話をしたところ、目の前で実際のロウソクを使った実験を見せてくれました。
これが、すごかった。
本では理解できなかった部分が補完されて、ファラデーの謎解きストーリーにさらにワクワクしました。
こうなってくると、ぽんすけは思いました。
読者にこの面白さを伝えたい!
理科好きさんにはもちろん、理科に苦手意識がある人でも面白いよ!って伝えたい。
むしろ理系じゃない人に、このワクワクをお届けしたい!
ということで、「ロウソクの科学」の記事を書こう!と決意したのでした。
わざわざ「ラブコメ」にした理由
「ロウソクの科学」の記事を書くぜ!と意気込んだぽんすけですが、一方で、むくむくと不安が沸き上がりました。
もしかして、ネットではすでに面白い「ロウソクの科学」の解説があるかもしれない。
私の記事なんて、いらないかなぁ・・・?
さっそくネットの海から「ロウソクの科学」の解説を調べてみます。
数は多くありませんが、ちょこちょこある。
でも、理科好きな人向けな解説が多いんですね。
原文内の実験をアップしている方もいますが、ストーリーはなく、単発の実験を掲載しているだけです。
これはもったいない。
ぽんすけが思う、ファラデーの「ロウソクの科学」の素敵な部分は、
・科学に興味がない、勉強を苦手に感じている子でも、ワクワクさせてくれる!
・科学が身近にあることを感じさせてくれる。
・「疑問を持つ→調べる→解決する」=探求の仕方を教えてくれる。
です。
つまり、ぽんすけは「シンプルなロウソクの科学の解説」ではなくて「ロウソクの科学が見せてくれる探求的なストーリー」を読者にお届けしたいと気づきました。
そして、ああ、これこそ私がサイエンスコミュニケーターとしてやってみたいことだなぁと感じんたんですね。
だったら、「実験をしながら、探求(謎解き)するストーリー」を表現したい。
さあ、ここで問題になるのは「どういう形式の記事にしようか?」ということ。
ぽんすけが書けるのは・・・
1)原文に忠実に解説していく講義形式の文章
2)ラブコメ*サイエンスシリーズ(旧名:茶番小説)
です。
正直なところ、「ロウソクの科学」をネットで検索される方が求めているものは、「解説」や「あらすじ」なハズです。
どう考えても講義形式な解説文章の方が、求められています。
Googleなどの検索サイトからも、そっちの方が評価されるでしょう。
このブログ自体も、科学の解説が多いです。
このブログの読者の方も「解説文章の方が好きなんじゃないかなぁ?」と考えました。
でも、それって、私がしたいことと違うんです。
ロウソクの科学の真髄は、あらすじを追うことじゃない。
ミステリィのようなワクワク感。
この話の次に何がくるんだろう?
この実験から、何が導きだせるんだろう?
そういう謎解きを表現したい。
それに・・・もう1つ表現したいことがありました。
「教科書を読んだりや授業を受けたりするのが苦手な人でも、科学を楽しめる」こと!
どう考えても「ロウソクの科学」は、理科にアレルギーが出ちゃう人には読むのが辛いハズです(だって、理科好きのぽんすけも投げそうになったし。)。
でも、ファラデーの見せてくれるお話しは、謎解きが好きな人なら理系・文系関係なく、楽しめます。純粋に科学の楽しさ、探求のワクワク感を表現してくれているのです。
私は、そんな文章を表現したかった。
となると、やっぱり講義形式ではありません。
LINE風の会話文章にしよう!と意気込んだのでした。
ということで、自分でも無茶だなーと思いつつ、「ロウソクの科学」を茶番小説にしたのでした。
ちなみに、ここまでの思考が約2年前。
つまり、今まで塩漬けにしていたわけです。
なんで塩漬けしていたかと言うと・・・
この記事、めっちゃ書くの大変なんです!!!
難しい文章を会話形式にするのも、ひぃっ!って感じですし、現代では馴染みが無いものを、現代人にもわかるように改変しなくちゃいけない。
さらに、実験の数も半端ない。しかも自宅でできるようにするだって!?
え?動画編集?MP4ってナニそれ?
どう考えても、書くのにすっごく労力が必要です。
ほっといてました。
でも、つい先日、あわや心臓の病気!?みたいな事件(詳細は別記事)がありまして、やりたいことはやりきろう!と思い立ったんですね。
こうして、「うぐぅぅぅぅっっ」って言いながら記事を書いてみました。
いや、まじ、大変すぎてぐぇええってなりました。当時の自分をほめてあげたい。
原文と「ラブコメでわかる!ロウソクの科学」の違い
原文を読んだ経験がある方はお気づきだと思いますが、「ラブコメでわかる!ロウソクの科学」は、原文のストーリーとはかなり違います。
大変申し訳ないのですが、「ラブコメでわかる!ロウソクの科学」で「ロウソクの科学」の正確なあらすじ知ることをできません。
ごめんなさい。
特に、原文と「ラブコメでわかる!ロウソクの科学」一番大きな違いは・・・化学史を全部切り捨てたことです。
実は「ロウソクの科学」のタイトルって「The Chemical History of a Candle」(直訳:ロウソクの化学史)です。
タイトル上のHistoryには色々な意味が込められていますが、原文の中で化学史はとても重要な位置づけをされています。
それもそのはずで、科学研究は先人たちが明らかにした研究を土台に進んでいきます。
研究者が化学の話をするときは、先人への尊敬の念を込めて、化学史の話は絶対に必要です。
でも、「【ラブコメでわかる!『ロウソクの科学』」では、実験の謎解きに注目してもらうために、化学史の内容はすべて排しています。
あくまで、実験をベースとした探求的なストーリーのみにしました。
これが、原文との大きな違い。
他にも、原文内で使われた具体例を、現代の日本人に馴染みがある内容に変更しています。
原文と「ラブコメでわかる!ロウソクの科学」の似たところ
逆に、「ラブコメでわかる!ロウソクの科学」で原文に似せるように意識した部分もあります。
意識した点は3つ。
1)ストーリー展開は「問題を出す」→「実験で解答を見せる」という順番。
2)原文に掲載されている実験をベースに話を進める
3)自宅でできる実験にする
特に、重要視したのは「自宅でできる実験にする」という点です。
原文内で、ファラデーは繰り返しこんなことを言っています。
ところで、少年少女諸君には、家でやれるような実験を、お目にかけるべきだと思います。(ロウソクの科学 /角川文庫 p143より)
ファラデーは子供たちが、自宅で再現できるような例をたくさん教えてくれるんですね。
そこで、「ラブコメでわかる!『ロウソクの科学』」で掲載されている実験は、すべて自宅でできるようにしました(火を使うので、十分に気を付けて実験してくださいねっ)。
記事に込められた願い「学び方の格差が減るといいなぁ」
最後に、この記事に込められたぽんすけの願いごとのお話。
「ラブコメでわかる!ロウソクの科学」を知人に見せたところ、
「教科書みたいな文章が苦手な人でも、理解できるからいいね」
という素敵なお言葉をいただきました。
そこで、ふと、ぽんすけは気づきました。
現代だと、科学のお話って教科書的な文章を読むのが得意な人が、学びやすい世界なんですよね。
でも、得意な学び方は、人によって大きく違うと思います。
たとえば、会話を通して友達と勉強をするのが得意な人もいれば、
ラジオの情報の方が学びやすい人もいる。
それこそ、LINEの会話の方がわかりやすい人だっていると思います。
かく言うぽんすけも、会話形式の小説や漫画・絵や図の方が学びやすい人です(教科書は苦手)。
学生の頃は、わざわざ授業の内容を絵にしていました。
「ロウソクの科学」原文は、教科書を読むのが得意な人向けに感じました。
でも、こんな素敵でワクワクで、学びの多い内容が、限られた範囲でしか広がらないのはもったいない。
この記事が、「得意な学び方」が違う子たちの格差がとれればいいなって思ってます。
ちょっとした、ぽんすけの願いでした。
おわりに
最後に、この記事に関わってくれたすべての方へ感謝を。
そして、あなたに、ありったけのワクワクをお届けできていることを信じて。
届いているといいな。
おあとが・・・・あっ!
重要な余談とお礼を忘れてました。
生徒会長はとある漫画のキャラクターがモデルな一方で、部長は現実にモデルがいます。
(当時)30代の大学の先生です。
口調はその方の真似をさせていただきました。
この先生は、すっごくキャラが立ってましてね・・・印象深いエピソードがあります。
先生が飲み会の席で女の子(10歳下)に告白したのですが、何を思ったか、在原業平の詩歌を耳元で吟じたんです(あなたは僕の心をかき乱す的なヤツ)。
結果は、玉砕です。
女の子は在原業平を知りませんでした。
私は、あなたを一生忘れられないです。
「ラブコメでわかる!ロウソクの科学」は先生のおかげで書ききることができました。
ありがとうございます!!!
おあとがよろしいようで。
「ロウソクの科学」実験記事をまとめました▼
参考にした書籍▼